銀職人のつぶやき

銀職人松浦仁史の 日々のコト、作品作りのコトをとりとめもなく綴ります。

2018年04月

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『 トルコ石 』または  " ラッキー・ストーン " と呼ばれる『 ターコイズ 』は、
12月の誕生石で、皆がよく知るメジャーな石です。

メソポタミア (現イラク) では、
紀元前5000年の『 トルコ石 』のビーズが発見されています。
このことからもわかるように、
おそらく宝石として認知された最古の石の一つだと言えるでしょう。


『 トルコ石 』は非常に高い癒し効果を持っており、
健康に慰めをもたらし、保護作用があると言われ、
太古の昔からお守りとして用いられ、大切にされてきました。

また、成功へと導く石として
ヴィクトリア時代の詩にも登場しています。

凍てつく12月に生を受けたおまえ、
雪と氷と笑いさざめきの季節、
おまえの手に トルキッシュ・ブルーを置くべし、
成功がおまえのすること全てを祝福するだろう。

(作者 不詳)


さて、『 トルコ石 』という名は比較的最近ついたものです。
13世紀までは『 トルコ石 』ではなく
美しい石を意味する「カーレス」と呼ばれていました。
その後、この石をベネチアの商人が、
トルコを経由し地中海を経てフランスに持ち込んだため、
買い手が『 トルコの石 』と呼んで、この名前がつきました。


『 トルコ石 』は鉄と銅の量によって色が決まります。
鉄を多く含有すると緑になり、
銅を多く含有すると青くなります。
また、内包物の作用で
褐色や黒色の網状のメイトリックスが出るものもあります。


ポピュラーで人気の高い石なので、
最初に手にした宝石が『 トルコ石 』という人も多いと思います。
しかし、意外とデリケートな石なので
取り扱いには十分注意が必要です。
光、汗、油や、化粧品などの薬品に触れたり、
または水分を失うような状態が続くと、
変色や品質を落とす変化が起きることがあるのです。

この美しいトルキッシュ・ブルーを保つためにも、
丁寧に扱っていきたいものです。







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今日は快晴。

" 山口アーツ&クラフツ "にnancyと出かけました。
山口市の維新百年記念公園に
全国から144名のクラフト作家が集い、
それぞれの作品を展示・販売するイベントです。

ここに革作家の " coyote(谷口修一)さん " がブースを出すと聞き、
陣中見舞いも兼ねてドライブすることになりました。

会場になっている
山口の維新百年記念公園は
各スポーツ施設とビオトープを備えた芝生の丘などがある広大な公園です。
私たちも過去に息子の試合で訪れたことがある場所なのですが、
その時にはあまりに余裕がなくて
テニスコート以外の場所を歩き回ることはありませんでした。
しかし、今回のイベントでは、
その時に歩くことができなかった場所でイベントが行われており、
ゆっくりと公園内を楽しむことができました。

さて、 " 山口アーツ&クラフツ " では
今年は " 144名 " もの作家がそれぞれ与えられたスペースでテントを張り
ディスプレイにも工夫を凝らし、
自分たちの作品を並べて販売しています。

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陶芸・木工・皮革・染物・織物・アクセサリーなど
作家のジャンルも様々です。

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テントは広い会場の中に点在しているので、
イベント会場を散策しながら
各作家のテントの中をのぞき、作品を見て行きます。

しばらく歩いていると " coyoteさん " のテントもありました。

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今回は作品の販売だけではなく
『 レザーネーム作り体験 』というワークショップも開催されていたので
大忙しの様子…。

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このイベントは芝生の丘が会場の中心なので、
野外イベント特有の砂埃っぽさもなく、
天気にも恵まれて風が心地よく、
とても快適で楽しめました。

何より作品のレベルが高いので、
興味深くテントをのぞき、歩き回ることができましたし、
たくさんの作家さんの作品を見て、とても刺激を受けました。

このイベントは明日、22日(日)16:00まで開催されています。
お気に入りの作品との出会いを求めて、
その後は「湯田温泉の日帰り入浴」を楽しむなど、
ドライブに出かけるのは、いかがでしょうか。








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私は自宅のたった一台の机の
わずかなスペースで作品作りをしています。

ですから、
ワックスを削る作業と
金属を削ったり、バーナーを使う作業は
使う道具も作業内容も全く違うため、
なるべく同じ作業をまとめてやって、
それが終わったら机の上を片付けて
次の作業に使う道具を出して、違う作業をしています。

面倒なこともあるのですが、
それがあたかも儀式のようで、自分にあっています。
( 広いスペースがあれば問題ないことなのですが… )


さて、作品作りは
いつもの机、いつもの椅子に座って始めるのですが、
その場所に座ると目につくところに棚を作っています。

工具や石、素材などがすぐ取れるように置かれていますが、
そのスペースの一部に
作品作りには全く関係ない自分のお気に入りの品々を置いています。

そこに
最近新しい仲間が加わりました。
それが上の写真に写っている "水晶の塊" と "カスタムナイフ" です。


まずは "水晶の塊" ですが、
これは、” 革作家の coyote さん ”  からいただきました。
手渡された時、
その石は私の手の平にすっぽり収まり、
手に馴染むだけでなく、
お互いに引き合っているという感じでした。

ゴツゴツとしていますが、
動かすと様々な表情でキラキラ光り、
いくらながめていても飽きません。

そして、
次に美しいフォルムの "カスタムナイフ" ですが、
これは遊布戀さんのご主人さんからいただきました。

革製のケースに収められていましたが、
取り出してみると、
その磨き上げられたボディーとラインの美しさ、
それからズシッと感じる重量感と存在感、
まるで隙がないのです。
ピーンと張り詰めた緊張感が走ります。

刃物で有名な
岐阜県の関市のものということでしたが、
あまりの素晴らしさに驚いてしまいました。


 "水晶" は地球が生み出した自然の物。
 "カスタムナイフ" は熟練の職人の手から生み出された物。
誕生の過程も時間もまったく違う物ですが、
その内なるパワーと美しさに心を揺さぶられました。


私のことを考え理解してくださる人が、
身近で見ていてくれるということ…
それは、本当に嬉しく心から感謝しております。

ありがとうございました。

この気持ちを忘れないようにしていくつもりですし、
棚にある品々に刺激を受けながら、
これからも作品作りに励みたいと思います。












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和名の『 琥珀 (こはく) 』の方が馴染みがある石かもしれません。

半透明のオレンジ・ブラウン…蜜色の物質である『 アンバー 』は、
太古の樹木(松柏科植物)が分泌した樹液が地中に埋もれて化石化した樹脂で、
厳密に言うとクリスタルとは全く違う生物起源の宝石です。
昆虫や植物の一部、パイライト(黄鉄鉱)などのインクルージョンを内包していることもあります。

『 アンバー 』の語源は、
アラビア語の「香気を放つ物質」という意味です。
実際に燃やしてみると良い香りがするそうです。
(私は燃やしてみる勇気がないので香りはわかりませんが…)

この石は大地と強い結びつきがあり、
強力な癒しと浄化の効果があると言われ、
とても神秘的な印象がある石です。

数年前のことですが、
知り合いの方から、大きくて珍しいカットの『 アンバー 』を見せていただきました。
その石を手に入れられたのは
若い頃、旧ソビエト連邦に旅した時の船中だったとおっしゃっていました。

もう一度その石を指にはめてみたいと言うお話で、
指輪のオーダーをいただいたのです。

とても魅力的な『 アンバー 』だったのは言うまでもありませんが、
旅のお話やお気持ちを聞いていると
私もイメージが膨らみ、
結果、とても楽しい仕事になり、素敵な作品に仕上がりました。






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『セラフィナイト』は和名を「斜緑泥石(しゃりょくでいせき)」と言います。
深い緑色の中に特徴的な翼のような模様が見られることから
" 天使の羽 "と呼ばれています。

愛と想像力を司ることで知られる
最高位の天使「セラフィム」に由来して名付けられましたが、
『セラフィナイト』は宝石名で、
正式な鉱物名は『クリノクリア』と言い、
『 クロライト (緑泥石) 』と言う鉱物グループに属しますが、
硬度が低いこともあり、
宝石としてはあまり注目されていませんでした。

しかし、近年になって『クリノクリア』の変種として
" 天使の羽 "のように見える美しい模様の『セラフィナイト』が見つかり、
注目されるようになりました。

今回の写真は私がこの石で作ったリングです。
特別華やかではありませんが、
翼のような白い部分がとても神秘的で、
ずっと手にとって見つめていたくなる石です。







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